2026年10月18日に放送されたTBS日曜劇場『VIVANT』第21話。シャキ城から救い出した別班員たちを乗せたジェット機が、ゴルバド共和国を飛び立つ直前のことです。乃木憂助(堺雅人さん)のもう一つの人格・Fが、「別班儀礼曲を流せ」と短く命じました。
シーズン1から数えて21話目にして、初めてその存在が明かされた「別班のための曲」。放送直後から「そんな曲あったの?」「元ネタは『抜刀隊』では?」という声がSNSにあふれ、Googleでも「別班儀礼曲」「儀礼曲とは」が急上昇ワードに入りました。
この記事では、第21話の放送内容と報道で確認できた事実を黄色のマーカー、公式発表がなく考察の域を出ないものを赤のマーカーで分けながら、別班儀礼曲の正体と、Fがあの場面で曲を流した意味を整理していきます。
- 別班儀礼曲が流れた第21話ラストの場面と、東条・野崎・リュウたちの反応
- 曲名・作曲者・サントラ収録について「分かっていること/まだ分からないこと」
- 元ネタと言われる『抜刀隊』『陸軍分列行進曲』の歴史と、結びつけられる理由
- Fが敵のシンシーにも聴こえる状態で曲を流した意味の考察4つ
- 別班儀礼曲はどこで聴けるのか、第22話以降に注目したいポイント
別班儀礼曲は第21話で初登場した「別班の儀礼の曲」。元ネタは公式未発表
先に結論をまとめます。別班儀礼曲は、2026年10月18日放送の第21話で、劇中のセリフとして初めて名前が出た楽曲です。視聴者がつけたあだ名ではなく、Fの指示の中で使われた呼び名です。
一方で、『抜刀隊』が元ネタだという制作側の発表は、執筆時点では確認できていません。現時点で分かっていることと、分かっていないことを表にしました。
| 項目 | 執筆時点の状況 |
|---|---|
| 初登場 | 第21話(2026年10月18日放送)の終盤 |
| 流すよう指示した人物 | 乃木の別人格・F |
| 実際に流した人物 | 「ブルーウォーカー」こと太田梨歩(花岡すみれさん) |
| 曲調 | 勇壮な2拍子の行進曲風(MANTANWEBの報道) |
| 正式な曲名・作曲者 | 未発表(音楽総監督は千住明さん) |
| サントラ・配信 | 単独音源の発表は確認できず |
| 『抜刀隊』との関係 | 報道や考察で指摘あり。公式発表はなし |
第21話で別班儀礼曲が流れた場面を時系列で整理
別班儀礼曲の意味を考えるには、どんな状況で流れたのかを押さえておく必要があります。報道各社の記事をもとに、ラストまでの流れを順に追います。
チンギスの足止めで空港へ。ジェット機に乗り込むまで
シャキ城から黒須駿(松坂桃李さん)らを救い出した乃木たちは、市街地でシンシーの工作員や地元警察に取り囲まれ、絶体絶命の状況に追い込まれます。そこに駆けつけたのが、バルカ共和国の警察官・チンギスでした。
チンギスの活躍で空港にたどり着いた一行は、足止め役を買って出たチンギスを地上に残し、ジェット機に乗り込みます。仲間を一人残していく、重たい出発でもありました。
Fの宣告「こちらはまもなく離陸する」と、太田への指示
機内のFは、シンシー側に音声をつないだ状態で「こちらはまもなく離陸する」と宣告します。相手は、アジトで対応に追われていたシンシーの責任者・樊林杏(ハン・リンシン/宮下今日子さん)たちです。
そのうえでFは、太田に「別班儀礼曲を流せ」と指示しました。太田がキーボードを叩くと、勇壮な2拍子のメロディーが機内だけでなく、シンシーのアジトにも響き渡りました。
そしてFは「これで殉職した先輩方が俺らを守ってくれる……出発だ」と告げ、ジェット機は飛び立ちます。第21話は、この曲が流れたまま幕を閉じました。
東条・別班員・野崎・リュウ、それぞれの反応
この場面が印象に残ったのは、曲そのものよりも、曲を聴いた人たちの反応がはっきり分かれていたからです。
- 東条翔太(濱田岳さん):太田の隣で「そんなのあるの?」と驚く。視聴者の気持ちを代弁する役回り
- 別班員たち:姿勢を正し、涙をこらえるように聴き入る
- 野崎守(阿部寛さん):シンシーに捕らわれたまま、虚ろな表情で曲を耳にする
- 劉銘軒(リュウ・ミンシュエン/堺雅人さん):視線を左右に動かし、眉間にしわを寄せて感情を抑えるようなそぶりを見せる
別班の外にいる東条は曲を知らず、別班員は曲を知っていて胸を打たれています。注目したいのは、敵側にいるはずのリュウが、曲に何らかの反応を見せていた点です。この反応は、後半の考察で改めて取り上げます。
別班儀礼曲の曲名・作曲者・サントラ収録は?
「あの曲をもう一度聴きたい」という声は放送直後から多く上がりました。ここでは、曲そのものについて確認できたことを整理します。
「別班儀礼曲」は劇中で使われた呼び名
「別班儀礼曲」という名前は、Fのセリフとして劇中で使われたものです。ただし、これがサウンドトラックなどに収録される際の正式な曲名と同じになるかは、まだ分かっていません。ドラマの劇伴は、劇中での呼び名と商品化されたときのタイトルが異なることも珍しくないためです。
音楽は千住明さんが音楽総監督を担当
『VIVANT』の音楽は、シーズン1に続いて作曲家の千住明さんが中心となって手がけており、第2シーズンでも音楽総監督を務めています。
ただし、別班儀礼曲を誰が作曲したのかは、曲単位では公表されていません。音楽チームには複数の作曲家が参加しているため、「千住明さん作曲」と言い切るのは公式発表を待ったほうが安全です。
2023年のサントラや配信で聴ける?
2023年にはシーズン1のオリジナル・サウンドトラックが発売されていますが、別班儀礼曲に当たる曲が収録されているという公式情報は、執筆時点では見当たりません。シーズン2の劇伴として新たに作られた可能性もあります。
なお、マイナビニュースによると、千住明さんの指揮による『VIVANT』のオーケストラコンサートが来年、東京と大阪で開催されることが発表されています。別班儀礼曲が演奏されるかどうかは発表されていませんが、生演奏で聴けるチャンスとして続報を待ちたいところです。
元ネタと言われる『抜刀隊』とは?西南戦争から陸上自衛隊まで
別班儀礼曲を聴いて『抜刀隊』を思い浮かべた人は少なくありません。夕刊フジ系のZAKⅡも、別班儀礼曲の反響を伝える記事の中で、西南戦争の『抜刀隊』と陸軍分列行進曲の歴史を引き合いに出しています。まずは『抜刀隊』がどんな曲なのかを確認します。
『抜刀隊』は西南戦争の警視庁抜刀隊をたたえた歌
『抜刀隊』は、1877年(明治10年)の西南戦争で、田原坂の戦いなどで奮戦した警視庁抜刀隊をたたえる歌です。作詞は東京大学の教授だった外山正一、作曲は陸軍軍楽隊の指導のために来日していたフランス人軍楽家シャルル・ルルーで、明治18年に発表されました。
西洋音楽の手法で作られた日本の軍歌としては最初期のものの一つとされ、勇ましい旋律が広く知られるようになりました。
『陸軍分列行進曲』として今も陸上自衛隊・警察で演奏されている
ルルーはその後、『抜刀隊』と、同じく自身が作曲した『扶桑歌』の旋律を組み合わせた行進曲を作りました。明治19年(1886年)に初演されたこの曲が、いわゆる『陸軍分列行進曲』です。
この行進曲は、戦後も陸上自衛隊の観閲式や警察の行事などで演奏され続けています。呼び名は組織によって異なり、警視庁では『抜刀隊』と呼ばれることでも知られています。つまり『抜刀隊』は、明治から令和まで、日本の「制服組」の儀礼の場で演奏され続けてきた曲だと言えます。
別班儀礼曲と『抜刀隊』が結びつけられる3つの理由
旋律が同じだという公式発表はありません。それでも両者が結びつけて語られる理由は、次の3点に整理できます。
| 比較ポイント | 『抜刀隊』(陸軍分列行進曲) | 別班儀礼曲 |
|---|---|---|
| 曲の性格 | 軍や警察の儀礼で使われる行進曲 | 名前のとおり「儀礼」の曲 |
| 拍子・曲調 | 2拍子系の勇壮な行進曲 | 勇壮な2拍子と報道 |
| 演奏する組織 | 陸上自衛隊・警察 | 陸上自衛隊の秘密部隊という設定の別班 |
| 込められた意味 | 戦った隊員たちをたたえる | 「殉職した先輩方が守ってくれる」とFが発言 |
とくに大きいのは3つ目と4つ目です。別班は作中で陸上自衛隊の秘密部隊として描かれています。陸上自衛隊で今も演奏される行進曲を思わせる曲調にすることで、別班が「自衛隊の伝統につながる組織」であることを音で示したのではないか、という見方には一定の説得力があります。ただし、これはあくまで考察です。
「乃木」と『抜刀隊』をつなぐ西南戦争という共通点
ここからは当サイト独自の視点です。主人公の名字「乃木」から明治の陸軍軍人・乃木希典を連想する人は多いと思います。その乃木希典は、『抜刀隊』の題材となった1877年の西南戦争に、歩兵第十四連隊を率いて参戦していました。この戦いで連隊旗を奪われ、生涯それを悔い続けたことは、乃木希典を語るうえで欠かせない逸話です。
乃木憂助の名字が乃木希典に由来するという公式な説明はありません。それでも、旗を失った悔いを背負った軍人の名を持つ主人公が、仲間を一人も欠かさず連れ帰る場面で「儀礼の曲」を流すという構図には、偶然では片づけにくい重なりがあります。
作中の別班も、和田をめぐる生死の謎や拉致事件などを経て、仲間を失う痛みを繰り返し味わってきました。Fの「殉職した先輩方が守ってくれる」という言葉は、そうした積み重ねの上に置かれたセリフとして読むと、より重く響きます。
乃木(F)が別班儀礼曲を流した意味を考察
ここからは考察です。ポイントは、Fがわざわざシンシー側に音声をつないだ状態で曲を流させたことです。仲間だけのための曲なら、機内で流せば足ります。敵に聴かせたことには、別の狙いがあったと考えるのが自然です。
考察1:殉職した別班員への鎮魂
Fのセリフから最も素直に読み取れるのが、鎮魂の意味です。「先輩方が守ってくれる」という言葉は、別班儀礼曲が殉職した隊員を送る場や、危険な任務の門出で流される曲として、組織の中で受け継がれてきたことを示しているように聞こえます。別班員たちが姿勢を正して聴き入ったのも、この曲の意味を体で覚えているからだと考えられます。
考察2:シンシーへの勝利宣言
「こちらはまもなく離陸する」と告げたうえで曲を流すのは、相手に対して「この作戦は別班の勝ちだ」と突きつける行為です。捕らえた別班員を奪われたシンシーに、敗北を音で刻み込む演出と読むことができます。SNSで「勝利のBGM」という受け止め方が多かったのも、この読み方に近いものです。
考察3:捕らわれたままの野崎への合図
シンシーのアジトには、まだ野崎が捕らわれています。曲が流れた瞬間に野崎の表情が映されたことから、「別班は無事に脱出した。次はあなたの番だ」と伝える合図だったという見方もできます。言葉で伝えれば敵に内容を知られますが、曲であれば意味を知る人にしか届きません。
考察4:リュウの反応を引き出す「試験紙」
個人的に最も気になるのがこの説です。別班儀礼曲は、別班の外にいる東条でさえ知らなかった曲です。それにもかかわらず、シンシー側のリュウは曲が流れた瞬間に視線を泳がせ、感情を抑えるようなそぶりを見せました。
もしリュウがこの曲に心を動かされたのだとすれば、リュウは過去のどこかで別班と深く関わっていた、あるいは乃木と入れ替わっていたという説に、新たな材料が加わることになります。Fが曲を流したのは、リュウの反応を確かめるためだったのかもしれません。この点は第22話以降の描写で確かめたいところです。
「別班儀礼曲そのものが暗号」説はある?
クランクイン!の記事では、放送後に「これ自体も暗号か?」「この曲も何かヒントになるの?」といった投稿が集まったことが紹介されています。『VIVANT』はこれまでも、数字や言葉に意味を隠す演出を重ねてきた作品です。
たとえば第14話では、新庄浩太郎の死亡時刻「10時13分」が聖書の一節を示しているのではないか、という考察が広がりました。別班儀礼曲の旋律やリズムに、モールス信号のような情報が埋め込まれている可能性を探る声もありますが、現時点で裏づけはありません。暗号として機能していたかどうかは、残りの放送で回収されるかどうかを見守るしかありません。
別班儀礼曲はどこで聴ける?
執筆時点で別班儀礼曲を聴く方法は、第21話の本編映像を見返すことに限られます。見逃し配信の公開期限は話数ごとに決まっているため、TBSの番組公式サイトやTVerで確認してください。
本編以外では、スピンオフ作品の『ドラム―VIVANT THE ORIGIN STORY―』と『チンギス―VIVANT THE ORIGIN STORY―』がU-NEXTで独占配信されています。第21話で別班の脱出を支えたチンギスの背景を知りたい方には、こちらもおすすめです。
サウンドトラックへの収録や単独での配信は、まだ発表されていません。発表があり次第、この記事でも追記します。
第22話以降で注目したいポイント
『VIVANT』第2シーズンは、11月8日放送の第24話で最終回を迎える予定です。残りは3話です。別班儀礼曲に関わる注目点は、次の3つです。
- リュウの反応の理由:なぜ別班の曲に心を動かされたように見えたのか
- 野崎の救出:曲を聴いた野崎が、どのように動き出すのか
- 曲の再登場:最終回など、別班にとっての節目で再び流れるのか
第22話の予告では「その正体がついに明らかに…」という言葉も示され、柚木薫をめぐる謎にも注目が集まっています。物語が締めくくりに向かう中で、別班儀礼曲がもう一度鳴る場面があるのか見届けたいところです。
まとめ:別班儀礼曲は「別班とは何か」を音で語った一曲
最後に、この記事の要点を整理します。
- 別班儀礼曲は第21話(10月18日放送)で初めて名前が出た劇中曲で、Fの指示で太田が流した
- 曲はシンシーのアジトにも流され、別班員は涙をこらえ、リュウは眉間にしわを寄せた
- 音楽総監督は千住明さん。曲単位の作曲者・正式な曲名・音源化は未発表
- 『抜刀隊』は西南戦争の警視庁抜刀隊をたたえた歌で、陸軍分列行進曲として今も陸上自衛隊や警察で演奏されている
- 別班儀礼曲の元ネタが『抜刀隊』だという公式発表はなく、曲調や役割の近さから語られている説
- 敵に聴かせた意味としては、鎮魂・勝利宣言・野崎への合図・リュウへの揺さぶりの4つが考えられる
別班儀礼曲は、ただ勇ましいだけのBGMではありませんでした。殉職した仲間をしのび、敵に勝ちを告げ、まだ捕らわれている仲間に何かを届ける。わずか数分の場面に、別班という組織の誇りと痛みが凝縮されていました。最終回までに、この曲の意味がさらに明かされるのか注目です。
執筆日:2026年10月20日(第21話放送後の情報をもとに作成しています)

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